テレこそ幅広く、ストラトは使いやすい
テレキャスター・タイプのギター(以下テレ)のフロントピックアップは木のボディ部分にネジ止めされているタイプが主流である。ピックアップカバーが傷ついたりしても、ピックアップ部分がずれたり、ましてや演奏が中断してしまうようなことはない。フェンダー社の偉大な発明であると思う。
一方、ストラトキャスター・タイプのギター(以下ストラト)だと、ピックガードのプラスチック板にネジ止めされている。プラスチック板の裏側に必要な配線は全て這わせてあり、電気的なメンテナンスをしやすくする改良のためと聞いた。これはこれで偉大な発想の転換であり、柔軟な着眼である。
テレとストラトを比較したい。弦の振動を拾うピックアップ機構の「土台の差」が、そのままそれぞれのギターのトーンのキャラクタを表わしている気がする。
テレキャスターのフロント=木の土台
テレキャスタのリヤ=金属板の土台
ストラトのフロント=プラスチック板の土台
ストラトのミドル=プラスチック板の土台
ストラトのリヤ=プラスチック板の土台…
よく「テレキャスタよりストラトは幅広い音作りが可能」という説明がされているが、これはすこし違うと思う。
もうちょっと精密に日本語を足してみると、
「テレキャスタはマイルドすぎるフロントとカリカリなリヤが同居する設計、幅はあるが極端なトーンが出がち。甘口カレーか辛口カレーしかないような店構え。
ストラトはテレキャスタに比べるとどのトーンも音楽的にストライクゾーンに入るような感じ。あくまで中辛カレーのなかでお好みに辛くしたり甘くしたりできるような感じ。」
甘口で太い音のテレのフロントが好きであるが、それは独りで練習をしている条件のためである。
バンドなど、さまざまな楽器との合奏の条件を考えると、ストラトの音のいい意味での細さ、細かくトーンを変更できる点なども、いろいろ試行錯誤したい。経験値をためておかなくては。
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